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発展協力会寄付講座(対面講座/オンライン視聴可)
講座番号 64.<徒労>の美学
―川端康成没後50年目の『雪国』―
講師
有光 隆司 清泉女子大学史料室(準備室)顧問・元清泉女子大学教授
<講師から一言>
開催日
秋期 2022年12月17日~2022年12月17日
時間
土 10:55~12:25
定員
100 名
受講料
秋期 1,500円
備考
対面講座ですがオンライン視聴もできます。オンラインをご希望の方は必ずWeb申し込みフォームからお申し込みください。
お申込みフォームはこちら
講座内容
辞書によれば〈徒労〉とは、「無駄なことに力を費やすこと。また、骨を折ってしたことが報われないさま」(『日本国語大辞典』)とある。これまで読んできたどの作家も〈徒労〉をさも当然のごとく否定語として使っている。たとえば夏目漱石が『道草』で「凡ては残酷な運命に対して全くの徒労に帰した」と書くように。
ところが川端康成は『雪国』で、ヒロイン駒子の愛情を「美しい徒労」と書くのである。これまで〈徒労〉をこんなふうに使った作家を私は知らない。
今年は川端没後50年目の年だそうである。いま改めて、『雪国』を、〈徒労〉の美学として読んでみたい。
講師専門分野・業績
日本近代文学、比較文学/「思想の時代」『和歌をひらく』第5巻『帝国の和歌』(岩波書店)2006年、『木下杢太郎『食後の唄』注釈と作品論』(笠間書院)2020年
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