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発展協力会寄付講座
講座番号 23.日本語とスペイン語の谷崎潤一郎
『細雪』消えゆく日本的な日常生活
講師
杉山 晃 清泉女子大学名誉教授
<講師から一言>
原文と訳文を照らし合わせると、それまで気づかなかった事柄が見えてきます。原作についての理解が一段と深まること請け合いです。
開催日
春期 2022年05月14日~2022年06月18日
時間
土 13:30~15:00
回数
春期 3回
定員
30 名
受講料
春期 7,200円
見学
×
テキスト
必要に応じてプリントを配布
備考
パワーポイントを使いながらのオーソドックスな講義形式です。
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講座内容
日本特有の文化や価値観、あるいは独特な言い回しや言葉遣いが、どのようにスペイン語圏に翻訳紹介されたのかを昭和の文豪谷崎純一郎の代表作『細雪』を通して見ていきます。とりわけ冒頭の3つの断章を対比させながら、スペイン語圏の読者が興味や違和感をいだいたであろう事柄を洗い出していこうと思います。
戦争のさなかに書かれ始めた『細雪』には、消えゆく日本の日常生活や感情の機微が丹念に描かれており、いま読むと懐かしさを覚えます。谷崎の「滅びの美」はしなやかな文体に支えられて、これからも輝きを増していくに違いありません。そして外国人の目で読んでみると、これまで気づかなかったこともいろいろ見えてくるはずです。
春期
回
開催日
講座内容
1
5/14
姉が妹の見合い相手の年齢を気にする場面がある。「何で四十一まで結婚しやはれへなんだやろ」と言う。年齢を過度に気にする文化的背景を考える。
2
6/4
見合いの男性が、遠慮なくつぎのように相手側に伝えるーー「お宅さんのことを調べた」。「調べるのが当たり前」とされた文化的背景を考える。
3
6/18
「責められてよいのは監督不行届きな両方の家庭」と、駆け落ちした当人たちよりもそれぞれの「家庭/家」の責任だとする文化的背景を考える。
講師専門分野・業績
ラテンアメリカ文学/『ラテンアメリカ文学バザール』(現代企画室) 2000年、翻訳:『燃える平原』(ルルフォ、岩波文庫) 2018年、Juventud (森鷗外、con Sally Battan, Satori Ediciones) 2021年
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